自立支援医療制度(精神通院医療費助成制度)をご存知ですか?
この制度は「どのような経済状況の方も、精神疾患に対して必要な治療を継続して受けることができるようにすることを目的とした医療費助成制度」です。
このページでは、制度の対象者や具体的な軽減内容、申請方法などについてシンプルにご案内していきます。
1 対象となる方
統合失調症、躁うつ病、気分障害、てんかんなどのご病気があり、継続的な治療を必要とする方です。
2 この制度の主な特徴
- 窓口負担が1割になります。
- 加えてこの1割負担が過大とならぬよう、窓口で支払う金額には毎月上限が設けられています。この自己負担上限月額は、所得や症状に応じて決まります。(2,500円から20,000円の範囲です)
- この制度は有効期限があります。最長1年です。制度の利用を継続する際は更新が必要となります。(ただし更新の際に添付する診断書の提出は、2年に1度でよいようです)
- この制度は、診療時だけでなく、精神科デイケア、訪問看護、薬局でも利用することができます。ただし、その都度どこの施設でも良いわけではなく、申請時に登録した指定自立支援医療機関(病院・薬局)に限ります。
- 職場などに連絡はいかないので、安心して申請することができます。
3 自己負担額について
少しイメージがつきましたか?
そして、ここまで聞きますとご自身の毎月の自己負担上限額がはいくらなんだろうか?と気になりますよね。
自己負担金額上限額に関しては簡単には申せませんので、以下に県のホームページのリンク貼らせていただきました。そこに掲示されております「利用者負担額について」の表をご参照ください。リンクからページに飛びましたら、グググっと画面を下にスクロールしていただけますと表が出てきます。
どこに当てはまりましたか?
なお、この表を見ていく上での「世帯」とは、住民票上の家族のくくりではなく同じ健康保険に加入している家族を1世帯と見なしています。そのため、同居していても異なる健康保険に加入している家族同士は別世帯となります。
また「重度かつ継続」の該当者とはその人の病状によって異なりますので、主治医に確認することとなります。
4 申請方法
では、イメージがより具体的になったところで、申請方法のご説明です。
まず申請先ですが、お住まいの市区町村役所(場)の自立支援医療担当課となります。各役所によって担当課の名称が違うので(縦割りってやつですね)、総合受付などで「自立支援医療制度の申請に来ましたが、障害福祉担当の課はどちらになりますか?」となどお尋ねになりますと窓口を教えてくれるかと思います。心配しなくて大丈夫です。
<初めて申請する場合で精神障害者保健福祉手帳をお持ちでない場合>
- まずは主治医と相談しましょう。
- 申請することになりましたら、「自立支援医療費意見書(診断書)」を医師に作成してもらいましょう。ただ、この意見書は診断書だったらなんでもいいわけではなく、各自治体指定のフォーマットがありますので市区町村役所(場)にもらいに行く必要があります。ただ、医療機関によっては、近隣いくつかの自治体のフォーマットを取得しているところもありますので、お住まいの市区町村役所(場)に意見書用紙を取りに行く前に受付スタッフさんにとに確認してみましょう。そしてこれは大切な書類なので頼んですぐには出来上がりません。作成にどのくらいかかるかも確認しておきましょう。平均して作成には最低1週間かかり、費用は1通3,300円くらいです。書類が出来次第連絡を入れてもらうか、次回外来の時でいいのか、受付スタッフさんと相談しておくと行動スケジュールが立てやすいですよ。
- お住まいの市区町村役所(場)の自立支援・障害福祉担当の課に「自立支援医療費(精神通院医療費)支給認定申請書」を取りにいきます。(かかりつけ医が「自立支援医療費意見書(診断書)のフォーマットがなかった場合は、この意見書(診断書)のもいただいてきましょう。)
- 役所の人に添付書類(支給認定申請書・意見書(診断書)以外の提出物)についても必ず確認してきましょう。分かりやすく説明されたプリントも各役所ごとに準備されています。不明なこと・曖昧なことはここで全部聞いてきてしまいましょう。
- 役所の人に指示された添付書類を集めましょう。(マイナンバーカードや課税・非課税証明書などかと思います。)意見書(診断書)の依頼がまだだった方はかかりつけの病院に作成依頼をしましょう。
- おうちでは役所からもらってきた支給認定申請書を記入します。また自立支援医療制度が使える病院・薬局は申請時に指定した施設のみです。(のちに変更可)かかりつけの病院はお決まりとは思いますが、受給者証に記載する「利用しやすい薬局」を決めておきましょう。健康保険証のコピーも余裕のある時にとっておきましょう。
- 意見書(診断書)が出来上がりましたら病院に受け取りにいきます。
- 支援認定申請書、意見書(診断書)、役所の方に指示された各種添付書類、健康保険証の写し、印鑑を持って、担当市区町村役所(場)の障害福祉担当課へ申請にいきましょう。
- 申請しましたらその場で『申請書の控え』というものをいただけます。これは自立支援医療利用の認定が下りる前に(後述する『自立支援医療受給者証』がご自宅に届く前に)病院・薬局窓口へ提出することで『自立支援医療受給者証』と同様、1割負担となるものです。受診時に受付へ提示してみてくださいね。
<初めて申請する場合で精神障害者保健福祉手帳をお持ちの場合>
精神障害者保健福祉手帳をお持ちでない方と概ね同じなのですが、手帳を既に持っていることで自立支援医療制度申請の際の意見書(診断書)提出を省略できる場合があります。
ただし、お持ちの精神障害者保健福祉手帳交付の際に添付した書類の内容によっては異なってくるそうで場合によっては手帳をお持ちでない方と同様に意見書(診断書)が必要な場合もあります。事前に市区町村役所(場)に確認しておくことをお勧めします。
また申請時に入院中の方は、手帳があっても退院の見込みを確認するために意見書(診断書)の提出が必要です。
<初めて申請する場合で精神障害者保健福祉手帳も同時に申請する方>
概ね流れは同じですが、精神障害者保健福祉手帳申請に必要な「手帳用の診断書」があれば、自立支援医療費申請のためにわざわざ別に意見書(診断書)を提出する必要はありません。
ざっと、このような流れでしょうか。
以下は、埼玉県の申請に係る書類や手続きに関するお問い合わせ先のリンクです。ご不明な点は担当の市区町村役所(場)さんへお電話でご確認くださいね。
5 申請後
認定されると「自立支援医療(精神通院療法)受給者証」と「自己負担上限額管理票」(小さな冊子のようなもの)の2つが交付されます。この制度を利用する際は、毎回必ず窓口に提出するものなどで大切に保管してくださいね。(つまり診察時の受付だけでなく、デイケアや薬局でも提出するということです。)
保険証などとセットにして一つのポーチにまとめられる方もおられますよ。
そして、受給者証に記載されている「有効期限」の欄を確認してみましょう。これは、「この日までが、今回の申請でこの制度を利用できます。」という意味です。ということは、1年以上治療が長引きそうな際は事前に継続申請する必要がありまね。有効期限を手帳などに記載して忘れないようにしましょう。この時、有効期限日の3ヶ月前の日にちにもチェックを入れておくと便利です。その理由と制度の継続方法は次の項でご案内しますね。
6継続申請のポイント
先に述べましたように、この制度の有効期間は最長1年です。したがって治療が1年以上継続して必要な方は「この制度を継続して使いたいです」という意思表示をしなくてはいけません。もちろん役所の人も貴方の治療内容までわかりませんから「もうすぐ期限ですよ」と連絡をしてもらえるわけではありません。
そして鋭い方はもうお気づきでしょう。
そうです。継続の申請をしてから新しい受給者証が交付されるまでは時間がかかるのです。
継続の申請は有効期間満了日の3ヶ月前からできますので、手続きは早めに行いましょう。手帳にチェックした意味お分かりになりましたね^ ^
なお継続の際に必要な意見書(診断書)は2年に1度の提出でいいそうなので、最初の継続申請の際は意見書(診断書)は不要です。それも手帳に記入しておきましょう。
7ワンポイント
- 自己負担上限額管理票(小冊子みたいなもの)には毎回窓口の人が実際に支払った金額を記入してくれるのですが、月ごとに累計金額を仕切り直すため欄が余っていても月が変わると新しいページへ移っていきます。その際、新しい月のページの記名欄、上限額にお名前・金額を書いてくれる施設と書いてくれない施設とがあります。月が変わりましたら、その月のトップページの記名欄にご自身のお名前が記入されているかしっかりと確認し、されていなかったら間違いや紛失予防のためにご自身でご自分のお名前を記入しておきましょう。
- 受給者証に記載されている内容が変更となる場合にはお住まいの市町村役場で手続きが必要です。特に、通院先や薬局が変更となる場合には忘れずに事前に役場で変更の申請をしましょう。
- 精神保健福祉手帳もお持ちの方は、お住まいの市区町村役場に相談することで「自立支援医療受給者証」と「精神保健福祉手帳」の更新時期を同じ時期に調整していただけます。手間暇が減り、予定も立てやすくなるのでおすすめです。
8 自立支援医療制度(精神通院医療制度)に関するお問い合わせ先
埼玉県立精神保健福祉センター(審査担当) 048−723−6802
埼玉県福祉部障害者福祉推進課 048−830−3295