国民年金、未納でなくて免除にしよう。

国民年金納付免除

国民健康保険・年金の毎月の納付額って結構バカにならないですよね。私も退職後、任意継続のことなんて何も知らず、すぐに国保に加入したのですが納入金額を見て唖然。もちろん、退職後またすぐに仕事ができる状態の人はいいのですが、とてもそんな状態でない方は任意継続・国保の納付金どころか生活費も大変です。

このページでは任意継続や退職後扶養に入ることもできず、国保に加入したものの納付金の準備が困難な方のお役に立てればと思いまとめました。

国民健康保険・年金の未納と免除は全然違う

国民健康保険・年金が未納となってしまうと年金受給資格期間にも年金額にも全く反映されませんが、免除であれば受給資格期間に反映されます。年金額は減額になってしまいますが10年以内であれば追納して増額することも可能です。ちなみに、減免額は市区町村によって異なります。

生活するのに必要な収入がない方、障害基礎年金をもらっている方は問い合わせてみることをお勧めします。

手続きの流れ

窓口ですが、国民健康保険は市区町村の健康保険課、国民年金は年金保険課となります。

必要書類は

  • 年金手帳、または納付書など基礎年金番号がわかるもの、
  • 印鑑(本人が署名をする場合は不要)
  • 失業している人は失業を確認できる公的機関の証明の写し(雇用保険受給資格者証・離職票など)
  • 他の市区町村から転入してきた人は、前年度の所得がわかるもの。

障害年金ってなんだろう?(年金について)

年金も様々な種類がある

国民年金、厚生年金、、ここまでは馴染みのある言葉ですが、同じ年金でも「障害年金」とはなんでしょうか?頭をスッキリさせるために、まずは基本の「公的年金」からカンタンにご説明していきます。

1 公的年金は2種類に分けられ、給付の形は3種類

ざっくりいうと国が運営する年金のことで、「国民年金」「厚生年金」に分けられます。

  • 国民年金は国民全員が加入する年金。
  • 厚生年金は企業に勤めている人が国民年金に上乗せするカタチで加入できる年金で、毎月収める金額の半分を会社が負担してくれる(労使折半という)ありがたいものです。

ちなみにこれらにさらに上乗せする「厚生年金基金」や「確定拠出年金」などもありますが、これらは私的年金といい公的年金ではありません。

そしてなんといっても、「年金」というと「老後は年金がもらえる!」といったように老後の給付イメージが一番強いのではないでしょうか。このダントツに認知度が高い給付パターンを『老齢年金』というのですが、実は老齢年金の他にも2種類の給付の形があるのです。

それが、『遺族年金』『障害年金』です。

遺族年金は、文字の通り亡くなった方の遺族に対して給付されるものです。そして本題の『障害年金』は、『怪我や病気などが原因で障害認定を受けた方に対して給付されるもの』なのです。もちろん前提として年金保険料の納付をされていた方が対象です。

簡単にまとめると障害年金とは公的年金の給付パターンのひとつであるということが言えると思います。

障害年金という言葉の実体が少し見えてきましたでしょうか?

2 どのような状態の人が障害年金の対象者なのですか?

ここでは、精神領域での障害年金対象者についてまとめてみます。

主な疾患としては

  • 統合失調症
  • 妄想性障害
  • 躁うつ病
  • てんかん
  • 症状性を含む器質性精神障害
  • うつ病

などの疾患をお持ちの方が対象です。加えて年金というだけあって、すぐに申請できるものではなく、障害の原因となった疾患の初診時から1年6ヶ月以後の状況で、精神障害の程度も一定の重さで固定している場合にようやく申請が可能となります。

障害年金申請時期イメージ

1年半以上疾患により生活が制限されていて改善が難しい状況の方は、障害年金を視野に入れて考えてみましょう。

障害年金には軽度から3級、2級、1級と等級があるのですが、日本年金機構の等級判定ガイドラインによると1、2等級の具体的な状況例として

  • 適切な治療を行っても重篤な症状が続いていたり、軽減と悪化を頻繁に繰り返している状態
  • 自己管理能力や社会遂行能力に著しい制限が認められている状態
  • 対人関係や意思疎通がを円滑に行うことができない状態
  • 家族や重度訪問介護等から常時援助を受けて生活している状態(独居の場合はこれらの支援やサービスを受けていなくても受ける必要性を認める場合)
  • 就労していても、勤務時間外は上記相当程度の援助を受けて就労している状態
  • 就労中、常時管理や指導が必要な状態(2級程度)個別の管理や指導が必要な状態(1級程度)
  • 特別支援教育、またはそれに相当する支援の教育歴がある場合(2級の可能性を検討)

などが挙げられていて、これらを総合して等級が決定されるようです。もっとざっくりまとめてみると、

3級は就労に制限が出ているレベル(国民年金は残念ながら3級がないので、2級以上を認定されたときののみ給付となります。)

2級は、日常生活に著しい制限が出ていて、簡単な家事ならできるが就労により収入を得ることが困難なレベル

1級は、日常生活に常に援助が必要なレベル

です。障害年金を申請にする際の診断書には、申請者の状態をかなり詳細に記入する項目が設けられています。病状や治療経過、そして現在の状況を事細かに精査して総合的に判断し、年金給付の決定をしているのですね。(ちなみに障害者手帳との等級との関係はありません。)

障害年金の申請は大変!とよく聞きますが、年金は決して安くない金額をみんなが毎月納付することで成り立っている助け合いの仕組み。かなり大きなお金が動きます。本当に必要とする人が安定した給付を継続して受けることができるよう、審査が厳しいのはむしろ健全なことといえます。

そして障害年金の審査では診断名だけで給付が決まる性質のものではなく「ご自身が具体的にどうのようなところで生活に制限を受けているか」というところが大きなチェックポイントと言われています。書類は医療機関に依頼だけして後は集めて出すだけ、、、という感覚ではなく、ご自身の持っている情報(経過や生活・就労の不自由さの詳細)を積極的に主治医に伝え、年金機構に事実が伝わるように主体的に書類作成をしていく必要があるということも、障害年金申請時の特徴と言えるでしょう。

3 前提条件

さて、どのような困難(ご病気)をお抱えの方が給付対象かについては前項でご紹介しましたが、そもそも年金の納付をしていないことには受給資格はありません。

そのため、申請にあたり「前提条件」というものが2つ存在します。

  1. 初診日要件:障害の原因となったご病気の初診日が、国民健康保険・厚生年金保険の被保険者期間中であること。
  2. 保険料納付要件:初診日の属する月の前々月までの保険料の納付期間が3分の2以上あること。(なお初診日が20歳前だった場合、初診日から20歳までの期間に関しては保険料納付の責務自体ありませんので納付要件が問われることはありません。)

<ご自身の年金状況はねんきんネットで調べられますよ!→ねんきんネット

この2つの条件は必須となります。

4 申請方法

①まずはご自身の経過や状態における障害年金申請の妥当性について医師に確認しましょう。

②申請する方向となりましたら『前提条件』をご自身が満たしているか確認しましょう。前提条件は初診日要件保険料納付要件でしたね。

<ちょっとここで『初診日』について> 障害年金申請時によく出てくる言葉『初診日』とは、今回申請する障害の原因となっているご病気について、初めて医師に診てもらった日にちのことです。 パッと思い当たらない場合は日記やお薬手帳など情報が記録してありそうなところからも探してみましょう。いつ頃かわかりましたら、初診時の病院でカルテで確認してもらうことになりますが、初診した病院が廃院していたりカルテの保存期間が切れていたりしまいわからなくなってしまっていることもあります。そのような時は、診断書やお薬手帳、診療報酬明細書などで確認していきます。 この『初診日』は大切になってきますので、しっかり調べましょう。 (なお、発達障害は20歳前に症状が出ていても20歳以降に受診した場合はその受診日が初診日となります。)

前提条件が2つクリアしていたら③に進みましょう。

③次は「障害認定日」を医師に確認しましょう。また新しく出てきた!と思うことなかれ、日付関連はこれで終わりです。障害認定日の決まりかたには2パターンあります。

1.障害の原因となった疾患の初診日から1年半経ち、回復の見込みが難しく症状が固定化したとみなされた日(慢性的な経過を辿ったパターン)

2.障害の原因となった疾患の初診日から1年半以内でも、回復の見込みが難しく症状が固定化したとみなされた日(事故や手術、急性的な発症で障害を認定されたパターン)

給付はこの障害認定日以降について計算され受けとることができます。(なお、初診日が20歳よりも1年半前以上前である場合は20歳となった日が障害認定日となります。)

請求書類をもらいにいきましょう。行き先はご加入の年金の種類によって異なります。

  • 国民年金           市区町村役場の国民年金課
  • 障害厚生年金     社会保険・年金事務所
  • 障害共済年金     各種共済組合

申請に際し集める書類も多いため、きちんと説明を聞いてきましょう。一人だと不安な人は付き添ってくれる人がいると心強いですね。

また窓口に行く前に、一番初めに診てもらった時から現在までの経過を紙に書き出しておくことをお勧めします。日付と医療機関、診断名と治療についてだけ流れがわかる程度で構いません。入退院もおありでしたら、流れに書き加えておきましょう。それを持って窓口で相談しどの書類をどの医療機関で記入して貰えばよいかを確認してきましょう。

<ちょっとここで、遡及請求=障害認定日請求について>
心の声『障害年金を受給することになったけれどもこの状況っていまに始まったことじゃないんだよな、、、。最近、障害年金の仕組みを知って申請したんだよな。もっと早く知って申請しておけばよかったな。障害認定日まで遡って給付してもらえないかな・・・。』こんな思いに応えるのが「遡及請求=障害認定日請求」です。

具体的には初診日から1年半〜1年9ヶ月ごろに通院していて、既に障害の状態であれば遡及請求の対象となります。

遡及請求をする際はもう一枚診断書(フォーマットは普通の診断書でOK)が必要になりますので、年金担当窓口の人にどこの医療機関でいつからいつまでの診断書をもらって来ればいいのかもしっかりと確認してきましょう。

→初診の病院で障害年金申請をする方は⑥に飛んでください。

⑤現在の病院前に、過去病院を転々とされた方は、初診証明を取得しましょう。障害の原因となっているご病気について初めて受診した病院に行き作成依頼をしましょう。「障害年金を申請するので、初診証明をいただきにまいりました」と受付の方に伝えれば通じると思います。

ちなみに、初診日がA病院、次にB病院で診てもらい転院、現在通院中のC病院にて障害年金申請をするという場合は、A病院が「初診証明」   C病院が「障害年金診断書」を書くことになります。

その際、C病院としてはB病院での経過がわからないと障害年金診断書が書けないということも多々あります。

前述したように、「病歴申立・就労状況等申立書」や「障害年金診断書」は障害年金の給付がいかに必要であるか、という根拠を年金機構にアピールする書類です。場合によってはB病院の診断書も必要なこともあります。その際は病院行脚になってしましいますが、B病院にも診断書作成依頼をしC病院の医師へ提示する必要があります。

病歴・就労状況等申立書を作成しましょう。年金窓口でいただいた書類の一つです。発病の時期、状況、治療の経過、入退院・転院・治療の中断・再開、就学や就労の状況、作業所の利用、ヘルパーさんの利用状況、日常生活や家庭での生活でどのような支障が出ているのかを具体的に書きます。とても大切な書類で、障害等級の決定に影響を与えることもある書類です。ありのままを記入します。

⑦主治医に「障害年金診断書」の作成依頼をしましょう。「病歴・就労状況等申立書」「初診証明(前医がいる人のみ)」「前医での診断書(前医がいる人のみ)」を受付の人に渡して依頼をしましょう。遡及請求する方は遡及請求用の診断書の作成依頼もしましょう。その時はいつからいつまでの期間の診断書なのかをきちんと受付の人に伝えましょう。←年金事務所で聞いてきてくださいね。

(参考までに障害年金診断書の費用は、筆者の知っている病院では1通1,1000円でした。)

⑧この診断書完成までは時間がかかります。大体1ヶ月は時間を見ておいた方がいいでしょう。よって、この待ち時間に裁定請求書の記入と添付書類の準備をします。これも年金担当窓口でいただく書類の一つです。老齢年金も然りですが、年金は「受給権を有する人が請求をして初めて給付がスタートする」ものです。この書類は年金機構に対して「請求」の意向を伝える書類です。

⑨全ての書類が揃い次第、申請となります。

5 更新について

更新時期はその人その人で様々です。1年毎の方もいれば数年おきでよい方もおられます。

更新の際に必要な診断書は『障害状況確認届』といいます。これも障害年金給付が妥当かを定期チェックする大切な書類です。(参考までに筆者の知っている病院では1通8,800円でした。)

障害状況確認届の依頼に関して〜

障害年金申請を行った病院での障害年金更新でしたら、かなりの情報を病院も把握していると考えられるため、受付に書類作成依頼するのみで問題ないかと思います。ただ経過が長い方がお引っ越しなどで病院を変わられ、転院先で障害年金の更新をする場合、現在の主治医が初診から現在までの詳細な情報を保持していないと思われる場合は、過去の詳細な状況報告を求められる場合もあります。そうならないためにも、転院時に障害年金更新時も考慮した紹介状を書いてもらいましょう。

更新時も審査は入ります。ご自身のことはご自身が一番わかります。必要な情報提供をし、医師やスタッフさんと協力して一緒に書類作り上げる気持ちが大切です。