住環境のサポートを受けてこころの負担を減らそう

住環境の改善

一番過ごす時間が長い場所「自宅」。そして、こころの健康にとって重要ではあるものの、自分一人の力ではどうすることもできない側面が大きいのもまた「自宅」。

このページでは、自宅に関してサポートできる社会資源についてまとめてみます。

ホームヘルプサービス

精神科の病気で通院中で、食事作りやお掃除がうまくできず生活に困難をきたしており、障害程度区分1〜6に認定された方がホームヘルプサービスを利用できます。(障害程度区分は、申請後の審査で決定されます。)

家事援助が必要と判断されれば、市区町村からホームヘルパーさんが派遣されます。ヘルパーさんは、炊事・掃除・洗濯・買い物や介助などをサポートしてくださいます。

ホームヘルプサービスの利用料は原則1割の自己負担ですが支払上限額が設けられており、非課税世帯の利用料は0円です。

また、障害程度区分によって利用できる時間に違いがあります。

窓口は、市区町村の障害福祉課などの担当窓口か指定相談支援事業所です。

必要な書類は、申請書・所得の状況を確認できるもの(住民税の支払額に関する書類)など。

一人で抱え込んでしまいやすい方、お家の中のどこから手をつけていいかわからない方、とにかく疲れて怠くてしんどい方、ご検討してみてはいかがでしょうか。

グループホーム(共同生活援助)

退院後の居住先がない方や親からの独立を考えている人で、一人暮らしに不安がある人が対象です。市区町村による訪問調査などを受けた上で、サービス利用の意向が確認されます。

窓口は、市区町村の障害福祉課などの担当窓口か指定相談支援事業所です。グループホームでは、個別支援計画に沿った支援を受けることとなります。(ちなみに、障害程度が重い場合はケアホーム(共同生活介護)のご利用となります。)

利用料は原則1割の自己負担ですが、収入が障害基礎年金2級程度までは免除されます。家賃・食費は自己負担です。

必要な書類は、申請書・所得の状況を確認できるもの(住民税の支払額に関する書類)など。

しっかりと見学や準備・イメージトレーニングをして、ご自身にあったグループホームを見つけられるといいですよね。

宿泊型自立訓練施設

精神障害などの困難を抱えている方が生活能力の維持・向上を目的に、宿泊しながら昼夜を通じて必要な「訓練・相談・支援」を受けることができる施設です。地域で自立してた生活が営めるように専門員が立てた個別支援計画をもとに訓練を行います。また訓練してオシマイではなく、地域移行に向けた関連機関との連絡調整も行い、卒業後も安心して自立した地域生活を営むことができるようセーフティーネット構築サポートもしてくださいます。

利用期間は各施設やその方の状態によって異なりますが原則1〜2年。(長期入院されていた方などは3年のこともあるようです。)

居室はより実際の生活に近づけるために、アパートのワンルームの形式がとられています。和室のお部屋を準備してくれている施設もあります。お風呂・お手洗いは、共同の場合もあればそれぞれのお部屋についている場合もあります。

日中は集団プログラムや個別プログラム訓練、夜間は施設に宿泊しながら生活能力向上訓練や生活のリズムづくりのサポートを受けることができます。金銭管理などの指導もしてくださいます。

利用料は障害福祉サービス費の利用に応じた定率負担分です。所得に応じた自己負担上限額も設定されていて、生活保護・低所得の方は自己負担額はありません。その他、光熱費や貸し寝具代など多少の一部負担がかかりますが良心的な価格に抑えられていますので、ご興味を持たれた方は一度施設にご相談されるのも良いかと思います。

埼玉県立精神保健福祉センター内 自立訓練施設 けやき荘

熱心な相談員さんが多いと良い評判を聞いています。

短期入所施設

精神障害をお持ちの方が『地域で頑張ってきたけれども生活に疲れてしまったとき』『介護者の負担を軽減したいとき』に一時的に利用することで、地域生活を今後も継続できるよう支援してくれる施設です。

前述しました宿泊型自立支援施設の空き部屋を利用し1週間ほどの滞在が可能です。お食事などは実費となります。(宅配弁当であったり提供がなかったりと施設ごとに異なるようです。)

滞在場所の適用だけでなく、相談・生活リズムの調整・関係機関との連携などのサポートもしてくださいます。

埼玉県立精神保健福祉センター内 自立訓練施設 けやき荘

参考文献:NPO地域精神保健福祉機構,知って安心12のメンタルヘルス福祉サービス,NPO法人地域精神保健福祉機構(コンボ),2009