自分で選んだ安全な食材や調味料で自炊することが、エネルギー的にも腸内環境にも望ましいと分かってはいるものの、身体がだるかったりココロがしんどい時にゴハンを作ることって結構しんどいですよね。このページではそんなあなたへのオススメレシピ、、、、ではなく、ちょっと違った視点、、、料理をすること自体のハードルを下げる環境、、、つまりキッチンについて考えてみたいと思います。キッチンがゴチャゴチャしちゃっている方はご一読ください。
1 思い込みから解放されよう!そもそも食べるってどういうこと?
毎日3食食べましょう!これが基本の食のカタチです!こんなおしゃれなプレート作ってみました!
教科書だったり企業のCMだったりSNSだったり、毎日のように各種メディアから情報の刷り込みが行われていますよね。そんな情報には、ただただ事実を述べているもの、なんの意図もなく個人的な事柄を伝えているものも勿論ありますが、情報を出す側によって「自分たちにとって好都合な印象を受け手が持つように、内容や表現の仕方を操作されたもの」も多々あります。
例えば食に関しての情報では、淡々と科学的根拠や栄養成分のデータを載せているサイトもあれば、食品業界の経済活動である「CM」、みんなに簡単に経済的に作って欲しい!という思いがこもった簡単レシピ動画、働きながらも私こんなにお料理おしゃれに作りました♪的なサイト、昔の例であれば、エジソンがトースターや電気消費を促すために「1日3食摂取するともっと健康に賢くなれるよ〜」と推奨したとかしないとか、世の中の情報はそのまま丸呑みしていいものばかりでもありません。
そんな情報のシャワーを浴びていると「へーそうなんだ!」「みんな〇〇って言っているから正解なんだ!」「流行っているから」とつい盲目的になり、本質を見失い操作されてしまう可能性も。(この方が楽ですからね。)故に、大量の玉石混合の情報を相手にするに世渡りしていくには、信じる者とかいて「儲ける」と読む一面を利用している側の存在も意識しておいた方がよさそうです。
勿論、食べることやお料理が好きな人、それらの意図が分かった上でその情報を楽しんでいる人にとってはいいのかもしれません。しかし、健康に気を使っていたり真面目な人ほど「1日3食しっかり食べなければならない」「1日30品目取れるように献立を立てられない私は情けない人間だ」「手の込んだ物が作れない私は母親失格だ・・・」と、無意識に購買意欲をかき立てる情報に追い立てられた結果、日常生活の中で選択の機会が増え消耗させられたり、他者と比べて自信を失ってしまったり、、、。「食」という本来シンプルである営みのハードルを自ら上げてしまってることも多く見受けられます。
昔日本では、「ハレの日」と「ケの日」を使い分け、生活にメリハリを出しながら活動のバランスをとっていたといいます。ハレの日は結婚式や祭りなど特別な日、ケの日は普段どおりの生活を送る1年の大半の日のことです。先に述べたような情報のシャワーに翻弄されることで、現代の私たちは知らず知らずのうちに「ハレの日」が多くなってはいないでしょうか。
また原点に戻って考えたとき、「食」とは「自分の命を継続させるために、必要な分だけ、他のものの命をいただく」ことですよね。またよく言われることですが、もともと人間は原始の時代から何百万年も飢えと戦いながら種を存続させてきた生物。飽食の時代となったのは本当につい最近の出来事です。加え仕事内容も肉体労働から頭脳労働にシフト。固定観念とライフスタイルの変化が噛み合わず、一生懸命こだわってもお料理をしたところで高カロリー低栄養になっていることも多いのが現在の食事です。(それはそれで美味しいですけれどもね)
つまり、機能性を求め食に関してプラスのこだわりがない人にとってのキッチンは、「普段の生活の中で、自分の命を継続させるために必要なぶんだけ、他のものの命をいただく」という営みさえ実行できれば、それ以上の機能を有する必要はないのです。
2 無駄なもの買ってませんか?
先に述べた情報からの後ろめたさや焦り、購買意欲高揚などから、一回使っただけで残ってしまいそうな珍しい食材や使用頻度の低い調理器具を買ってしまうことは誰しもあると思います。振り返ると「なぜこんなものを買ったのだろうか。。。」と思うような物です。
それらの、たくさんの調味料、ごちゃごちゃした食器たち、あふれる鍋、賞味期限が切れて意味不明になっている食材、使用頻度が少ないくせに場所を占領している家電、、、。これらに囲まれているとエネルギー取られませんか?そして経済的にも無駄に消費させられていませんか?
珍しい材料や独特の調理器具がないと作れないお料理やスイーツ。お料理が好きな人ならいざ知らず、そうでもない人にとっては年に何回作るか作らないか。。。その時のために毎日のエネルギーが削り取られるのはもったいないですよね。選択の機会というのはありがたいことではありますが、意外と消耗させられます。シンプルキッチンを目指す上では、余計な選択の機会を減らすこと、視覚からの情報量を減らすこと、作業スペースの確保が大切です。
現代は腕のいいシェフやおしゃれな手作りパンやお菓子のお店などがたくさんあります。全部自分がやる必要はありません。一人でなんでもできなくていいんです。喜んで食べてもらえたり、購入してもらえることはお店の人も嬉しいことだと思います。
健康的な食生活は大切だと思っているけれども必要以上にお料理に時間をかけるくらいなら、好きな本を読みたい、お風呂にゆっくり入りたい、仕事に集中したい、という方は是非これから紹介する具体例を実践し、あなただけのシンプルキッチンに整えてみてください。
3 捨てる
ではどんどん捨てていきましょう^ ^
①キッチンツール
鍋はよく使うものだけに絞りましょう。1年使っていないお鍋は破棄。シンク下の引き出し1つに収まる分だけに絞り込みましょう。私は揚げ物は家ではせず、お肉屋さんで売っているラードで揚げているものをたまにいただくのみなので揚げ物セットもありません。蒸したい時は折りたたみ蒸し器が便利です。お一人様鍋をよくやる方は、キッチンからそのまま移せるお一人様お鍋は置いておいてもいいかもしれません。その他、ほとんど使わないキッチン便利ツールなどは菓子箱などに移して1年くらい物置で保管しておきましょう。そして1年使わなかったら捨ててしまいましょう。
②食器
食器棚から食器を全部出して見直してみましょう。1ヶ月の食生活を振り返り一度も使わなかったものは破棄。そして破棄後空いたスペースに余計なものは入れないようにしてお気に入りの食器だけにしてみましょう。小さい食器は1人暮らしだったら2セットずつ、2人暮らしだったら4セット。湯飲みやコップは4つずつもあれば十分でしょう。ワンプレートとスープ皿だけにしてしまうのも一つの作戦。選別の結果残った食器たちはヘビーローテーションになると思いますので、欠けてしまったり割ってしまうこともあるかもしれません。そんな買い替えの時は、お気に入りの一点ものを探して自分へのプレゼントにすることも素敵ですね。
来客が来た時はどうするのか、、、ですか?これを読んでいる方はお料理好きの方は少ないと思いますので(苦笑)そんな時は笑顔で出前を頼みましょう!!無理しすぎると寝込みますから(汗)可愛い紙コップや紙皿も安く売っていますので、人数が多い時はそれらで対処しましょう。ホストが無理なく笑顔で迎えてくれることがゲストも安心して楽しめるポイントだと思います。
③キッチンマットは敷かない
シンク周りは意外と食材カスが落ちたり濡れてしまい汚れてしまう場所。こまめに掃除をしたいところですがキッチンマットは大きくて洗濯も単独でせねばならず、掃除機をかけるにしても床とキッチンマットの隙間にゴミもたくさん溜まります。転倒の原因にもなりますのでここは敢えてキッチンマットは敷かず、汚れたらその都度キッチンペーパーなどで雑巾掛けをすると簡単にいつでもピカピカです。
でも、小さいお子さんがいるおうちはびちょびちょになるので敷いてもいいかも(苦笑)
④レシピはシンプルに。朝ごはんは毎日同じで良い
散々述べましたが、あれもこれもいろいろな物を作る必要はありません。お米を炊いて、旬の食材をこだわりの岩塩で炒めてみたり、塩麹につけてグリルしてみたり、具沢山の味噌汁を作ってみたり、納豆や卵焼き、焼き魚、お刺身、十分です。生姜焼きなどはニンニクチューブと生姜チューブを常備しておけば簡単です。朝ごはんに関してはがっつり食べたい人、食欲がないから軽くていい人個性が出るところだと思いますが、自分にとって一番調子がいい朝ごはんの形を考えたら毎日同じにしてしましょう。買い物が簡単になり選択の機会が減ることにより脳の負担も減ります。サプリメントも上手に使ってみましょう。
⑤おぼんの活用と後片付け
無印良品などの木のおぼんはとても便利です。キッチンからお料理をテーブルに運ぶおぼんの役目といただく際にはランチョンマットの役割りをこなします。いただいた後もそのまま流しに持っていけば後片付けも簡単です。また、流しに洗い物がたまってしまうことってよくありますよね。考えるに、食後はお腹がいっぱいなり副交感神経が優位になっている状態。そこでまた洗い物をしたりお片付けをしたりすることで交感神経に切り替わることがしんどい、、、手も濡らしたくない、、、後でまとめてやればいいか。。。ついつい溜め込んでしまう方は、こんなメカニズムでが働いているのではないかと思います。そして、これを解決するかもしれない方法にもお盆作戦は有効です。お料理をした直後、使ったお鍋やフライパンなどはさっと洗ってシンクを空にしておけば、食後に運んだお盆の上の食器くらいはササっと洗えそうじゃありませんか?とにかく食後に面倒臭いことは残さぬよう、事前にシンプル料理をしながら調理器具は洗ってしまっておくことが大切です。水切りカゴのの食器も乾いたらすぐに定位置に戻しましょう。食器の種類が少なく仕舞いやすいと思いの外お片付けできますよ。
以上ざざっとシンプルキッチンの必要性と作り方をまとめてみました。水回りはきれいにしておくことに越したことはありません。是非、余計なものは捨てて必要なものを丁寧に大切に使い込んでいきましょう。そして、ご自身の直感で本当に大切なものを選び取っていってくださいね。
<参考図書>
村上祥子,頑張らない台所,大和書房,2018